01の武器

f:id:Argonautae:20200322150751j:image今日も高校時代の友人の話をしよう。

彼は武器を持っていた。人類の可能性ともいえる強大な武器を。素人目から見てもその技量は凄まじく私の知る中では断トツだった。しかし彼は上へ上へと成長を続けた。彼と周りとの違いはおそらく保持する熱量だろう。ブレがなく静かに、けれど確かに燃え続け周り続ける。私はそんな印象を高校時代の彼に抱いていた。

 

件の彼だが自身の成長とともに後輩の育成にも力を注いでいた。部活動の部長となり1から仲間を集め着実にその勢力を増していった。有望な人材が入ったことをとても喜んでいたのを今でも覚えている。

彼とは卒業以来連絡を取っていないが希望の進路に進めたことは風の噂で聞いた。その場所で良きライバルが出来ればより一層彼は自身を磨くことが出来るはずだ。

 

いつかまた彼と会う時が来るかもしれない。きっと彼は私の想像を超えて大きな存在となっているだろう。彼の持つ《01の武器》はどれほどの進化を遂げているのか、再び会う時が楽しみでならない。私も彼に語る話の種をゆっくりと育てることにしよう。