とある友人のお話し

落ちを探して

自分の話にはオチが無いのだと彼は笑いながら言う。オチがないことで笑えるのならそれはそれでオチのように思えるのだが、ここから先は哲学の領域だ、辞めておこう。 さて、ひとまず話のオチと呼ばれるものはその話題の目玉であり話し手が最も伝えたい部分で…

手を伸ばして

彼が次に手を伸ばすものはなんだろうか。 高校時代の彼を私はあまり覚えていない。仲が悪かったわけでもなくむしろ仲は良いほうだったと思う。ではなぜ記憶がないのか、それは卒業後の彼との付き合いの方がより強かったからもしくは彼を理解し始めたのがその…

白と黒そして色彩

今振り返ると彼にはその素質があったように思える。私と彼は高校時代1年間クラスが同じという繋がりしかなく、このまま凡百のクラスメイトと同じように他人になっていくように思えた。しかし共通の友人を通して再び繋がることになった。 彼が絵を描いている…

01の武器

今日も高校時代の友人の話をしよう。 彼は武器を持っていた。人類の可能性ともいえる強大な武器を。素人目から見てもその技量は凄まじく私の知る中では断トツだった。しかし彼は上へ上へと成長を続けた。彼と周りとの違いはおそらく保持する熱量だろう。ブレ…

知性と表現

高校卒業後疎遠になってしまった友人と久々に連絡を取った。ここで少し彼の紹介をしよう。彼はクラスの中心というわけではなかったがその発言はちょっとしたジョークを含みそれに気がついた人がクスリと笑う、実に私好みの人物だった。部活が同じだったこと…